龍の背に乗って
今の自分にふさわしいかどうかが少し気になる。
昔なら、堂々とここに来て「ここで寛ぐ自分になる」と思っていた。
梅田の、四季劇場が入っているビルのカフェに来た。
今日の私の落ち込みようったらなかった。
職場を出るまでは保っていた涙が零れ落ちそう。
息子が払うはずの請求書が私の元に来るというだけで
心が折れてしまいそうだった。
地震があって引っ越しがあって。これ以上、私に何をさせようというのか。
神様なんてどこにいるんだろう。
どんよりとした気持ちのままで、あるセッションを受けるためにカフェに来た。
こういうところのカフェは高い。
それでも、お腹を満たすためにケーキを頼んだ。
早めに着いて休憩するつもりだったけれど、心が休まっていない。
そわそわしているうちに、「○○さん?」と声をかけられた。
振り向くと、初対面なのに、どこか懐かしい顔の女性である。
席を移してセッションの時間になった。
最初は「悲しみの滲み」と言われた。
泣きそうだったから、ほんとに。
でも、しゃべり続けているうちに、少しずつ言葉が変わってきた。
「お名前はすごく元気なんですよ!」と言われた時には「そうそう!そうなんだよ!」と自分の中の何かがはしゃいでいるようだった。
その場で絵を描いていただく。
最初は濃いブルーが一面に塗られていたように思ったけれど、そのうちに、黄色やピンクが足された。
私が大好きなピンクやん!
とても嬉しい驚きだった。
「お名前を見てるとピンクなんですよ」と。
不思議な人たちが言うことは同じだった。
「思春期ごろから抑えている感情があって、それが今、出てきているんです」
30代で鬱病を発症した。その時に、3歳ぐらいの自分を癒したこともあった。
だから、まさかまだ自分の中に残っているものがあるということを、最初は信じられなかった。
けれど、何度も何度も繰り返される出来事と感情と、不思議な人たちから告げられる言葉を聞く中で「言わないようにしたきたこと」がだんだん明らかになっていくのがわかった。
中学3年生ぐらいの時に、私にとどめを刺す事件が起きたのだ。
地元の児童合唱団を追い出された。私は、年上の女性の手伝いをしただけで、先生から嫌われてやめるように言われた。でも、その年上の女性はずっと残り、先生からもかわいがれたままだった。
人を信じられなくなったのはその頃からだ。
中学校がひどく荒れていたことも関係あるかもしれない。
自分を出すと痛い目に遭うよ・・・
そうやって自分を生かしてきたのだった。
ここから先のことは、まだ言葉にならない。
だけど、少しだけ、自分とつながることができつつあることはわかっている。
私はとても面倒見がいいし、情が厚いところもある。
だけど、同時にとても冷たい一面もある。
近所づきあいができない程度には冷たい(笑)
そんなの関係ね~!と思ってる。
この日本ではそういうところは、とても嫌われるし好かれない上に助けてもらいにくい。ね。とてもいやでしょ?(笑)辛いでしょ?(爆
だから必死で「社会に受け入れられる程度の」ことはできるように頑張ってみた。
だけど、無理だったんだよね。
そう。無理なんだよって。
「思春期なんですよ」と何度も言ってもらった。
大人の思春期なんて、超めんどくさいよね~(#^^#)
でも、そうなんだ。しょうがないんだ。
だから、恋をした。思春期にしかできないような恋をした。
そうだったんだ~と思ったら、途端に私は緩んだのだった。
もっともっと遊んでいい、反抗期やっていい、はみ出していい。
で。最後は大笑いしてセッションが終わった。
かっこいい不良になるって決めて。
わたしはこれから、龍の背に乗って飛び回ろうと思う。
感情の不安定さも抱えたままで、勢いだけで生きていく。
田舎の夜は静かだ。
まっさらな明日に続いている。