風に吹かれて~誰のためでもない人生の記録~

つまづきながらも、楽しく生きているアラフィフの人生を日々記録したブログです。今、少し悲しいとか、辛いとか、思っている人に、少しでも笑顔になってもらえますように。

専門家が消えていく

なんだか寒い朝ですね。

夏なのに~。

 

看護師さんの退職やストライキがニュースになっていますね。

 

わたしは図書館司書だったのですが

司書の仕事が「誰でもできる」と思われて

司書の資格さえあれば安い派遣で働かされるという経過を

見てきました。

それに対しては、正職の公務員で司書をしている人たちは

自分たちに関係ないと言わんばかりに何も言わないのも

見てきました。

公務員であれば、どのみち司書でなくなっても、別の部署で働けますからねえ。

 

その結果、日本で根付き始めた司書の専門性がことごとく切り崩され

図書館に似た図書館ではない建物ができ始めています。

 

看護師さんほどのプロでもなければ命に関わるものではないからと

誰も大きな問題にもしなかったけれど

根底の「専門職をぶっ潰す」という点で、この道が敷かれていたのだと

私は思います。

 

マンションの受付専門だった会社、建築業専門の会社が

図書館の委託を請け負って

よくわからないまま、派遣社員を教育?している。

とにかく安く請け負わないと公共事業に入れないから

人件費は安くするし、研修と称して何かをやるけど

クレーム対応などの接客メインだし

じわじわと図書館の質が落ちていくのを

何もできない無力感と共に見ていました。

 

それがついに、医療の世界にまでやってきたのかと!!!

 

経済だけに重きを置く世界は、ほんとに雨粒のように

たった一粒のところから、地盤を崩し始める。

目に見えないような小さなところから穴をあけていき

大切な医療を軽視するところまでついに来たのです。

 

公務員を減らし、あらゆる専門家の給料を減らし

命を守る人たちのところまでその波がやってきた。

 

こうなるまでに、どれだけの専門的な知識や建物や人が失われてきたか。

 

小さいところで食い止めなかったことのツケがついに、という気持ちです。

 

すべてが派遣とボランティア頼みで、お金持ちだけが専門的なものを独占できるって

どこの王国ですかね。

 

王侯貴族だけが美味しいものを食べ、医療を受けられ、本が読めて、博士を側に置くっていう物語、めっちゃ読んできましたけど、まさか日本がそんな国になっていこうとは思ってませんでしたけど!

 

頭がいい人を馬鹿にし、アートだけで生きていけるかのように錯覚し

政治への無関心が当たり前になって

なかなか楽しい世界じゃないですか(褒めてない)。

 

どんな弱い人も生き延びれる世界であって欲しいと私はずっとずっと願い続けていますが、「弱い人からお金を搾取してワクワクして生きる」人が増えたのは皮肉な話です。

 

絶望せずに、私たったひとりでも

望む世界を求めて生きたい。

 

こうしてブログを書くことだけでも。

できることを。

 

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