ニューヨーク公共図書館
http://moviola.jp/nypl/aboutthefilm.html
今日はこれを見てきました。
三時間越えの作品です。
アメリカの図書館はとても素晴らしいということを
知ってはいたものの
「理想がここに存在した」という驚きと、どうしてこれが当たり前にならないのか、日本でできないのかという想いに駆られます。
一日を追っているのではなく、事件が起きるのでもありません。
そこで行われている(おそらく無料の)作家の講演会、大学並みの講義、収集している絵画の数々、音楽イベント、地域の人たちとの熱量のある交流などが描かれます。
日本のドキュメンタリーと違い、
「この講演会は素晴らしかったです」とか「この図書館があってよかったです」というような「感想」は全くない。
見ている私には、「講義の一部を見せていただいている」「こんなものを映画で見せてもらえるなんて贅沢」と思うほどの内容。
こんな上質のものを市民に提供している図書館があるニューヨーク最高だな、と思います。
会議の様子も映っていますが、日本とはまるで議論のやり方が違う。
わたしは、最近ツイッターで「日本語」と向き合っている方の文章を読ませていただいているのですが、やはり、この議論が日本でできないのは、「日本語の問題」でもあるのだなあと思いながら見ておりました。
役所の、上からの方針に従うだけの日本の図書館とは違い
役所と対等に渡り合っている様子がうかがえます。
「どうすれば役所から予算を引き出せるか、どう戦略的にふるまえばいいか」「政治家にどう言えば効果的に伝わるか」と。
そして、働く人も増やし、関わる人を増やし、毎日前進している。
今関わっている図書館とつい比べてしまい、悲しくなったのは、私だけではないはずです。
本がオートマティックに運ばれて、勝手に振り分けられる様子なども見ましたし、働いている人は、単純作業であれば、音楽をイヤホンで聴きながらしているし、作業服なんて着てない。会議の場面でも半数は女性。
服装も髪型も髪の色も装飾品も、何もかもが自由で、知的。
知性があるということは、こういう自由を当たり前に繰り広げることであって、何かを縛ることではないというのが、よくわかります。
悪名高い派遣会社のあの制服ってもう何周遅れてるんだろうと思うよね。。
図書館界の人だけでなく、誰もが見たほうがいいと思う。
図書館に関係ないことも学べますよ。
っていうか、それこそが図書館ですけれども。
働くということ、学ぶということ、支援するということ、議論のやり方・・・
日本がどうしてこれを学べなかったのか。
一方で、こうした理念を通している人たちがいる。
アメリカは奥が深いです。
図書館の職員というのは、黒子なんです。
自分が目立って、自分が褒められたいと思ってたら間違えます。
また、派遣業者は、人を動かすことばかり考えていて、図書館の理念とかどうでもいいですしね。
この映画を見て、少しでも図書館について考えてくれる人が増えることを
私は祈りたいです。
ほんまに、ノートとペンをもってもう一回見たい映画です。ゆっくりとね。