新しい城で
大雨の中、昨日引っ越しだった。
被害のニュースを朝から流しながら、引っ越しの後片付けに追われていた。
家の中に水が入るのは本当に嫌だし、住めなくなるし、その割に被害は少なく見積もられる。一日も早く、雨が上がることを祈るばかりだ。
けれど、自分がこういう被害に遭う前は、「雨が上がればいいのかな」と思っていたけれど、家の中の悲惨な様子はその後でじわじわ精神に来るから、少しでも安心できる場所が確保されることが第一だと思う。
私が地震で大変な思いをした時に、もっとも「わかってるよ」という顔で聞いてくれたのは、311を関東で経験した人だった。
私は数々の「経験しないとわからない」ことを経験してきたけれど
精神的なことだけでなく、こういう震災被害であっても、経験がすべてなのだ知った。
どれだけのダメージを受けるかも、一瞬の揺れがその後の人生を変えてしまうことも。
元の生活に戻ることなんてできないということも。
地球が動くということは、それだけ人も動かざるを得ないのだろう。
311が起きてからのことを、やっとみんなが語るようになって
私だけでなく、311が離婚の原因になった人が多いのだということに改めて驚いている。
価値観の違いをあれほど炙り出した災害はなかったよね。
雨の中の引っ越しだったから、段ボールが濡れてしまった(また!)。
だから、早く段ボールを解体しなければ、新居にカビが生えてしまうと思い
午前中にすべての段ボールを開けた。
こういうことだけは、すごい馬力でやってしまうみたいだ。
息子はしっかり眠っていたので、わたしひとりで全部やったのだが、まあ、押し入れの半間を本が埋めてしまったのには自分で驚いた。
それから、自分の部屋を片付けた。
結婚してからずっと自分の部屋がなくて、離婚を機にワンルームを借りて、夜だけはそこで寝るようにしていた。
今やっと、自分の部屋を持つという夢が叶った。
バイクで自分の部屋に通っていたのに、今は自分の家に部屋がある。
まるでどこでもドアみたいに、すぐここに私の部屋がある(笑)
ワンルームを借りた時に「自分の趣味全開で」とイメージして作り上げたのだが、それが基礎になった。
人生に無駄なことなどひとつもないのだ。
これからは、この家が丸ごと私だけの城になる。
部屋が好みの空間になってるだけでも嬉しいのに、これからは家を好きなようにできるなんて、わくわくしすぎになってしまう。
気がかりなことも、面倒なことも山積みだけど
そういう諸々を上回るような楽しみがあれば、人生はどうにでもなるんだと思う。
毎日が予想の付かない展開しかなくて、冒険しているようで、キャンプ生活のようで、
わたしはやっぱり「落ち着きすぎたら死ぬ」んだと思った。
いつか、大人になって、母親たちのように「おばあちゃんになり、孫の面倒を見て過ごす」ことになると思っていたけれど、全然そんなことなくて、激動の人生を波のように乗りこなすことが私の生き方なのだった。
新しいことを始めるのが一番わくわくする。守りに入っている人も組織も苦手だから、そういうとこは壊しにかかる。めっちゃ迷惑な私なのである。
災い転じて福となす・・・になりますように。
心から。
読んでくれてありがとう。