風に吹かれて~誰のためでもない人生の記録~

つまづきながらも、楽しく生きているアラフィフの人生を日々記録したブログです。今、少し悲しいとか、辛いとか、思っている人に、少しでも笑顔になってもらえますように。

震災の記録(2)

玄関は熱湯で水浸しになっているが

マンションの上の給水塔からも水が落ちてきていた。

震災より水害が危ない。

そう思って慌ててマンションの駐車場に降りた。

 

階下の人たちはそれほどでもなかったのか、ゆっくりゆっくりしている。

 

7階の人は、マンションのコの字型の接続部分が外れそうだよ、気を付けて!と教えてくれた。マンションが倒壊するかもしれないと恐れた。

 

男の人たちは仕事に出ていて、ほとんど残っていない。

管理人さんも電車が止まってこれないらしい。

給水塔の水が止まらない。水の流れる音だけが響く。

 

女性同士、声を掛け合って過ごしていた時間は覚えていない。

ようやく水が止まった。

 

部屋に戻るのはとても怖かったけれど、「戻ってくる」と息子たちが言うので

一緒に非常階段をあがっていった。

 

案の定、水浸しになっている。

「あ、これ、6階に迷惑をかけるやつや~」と思う。

 

ここで、次男がファインプレーをした。

電気温水器の水を止めたのだ。

「お母さん、止めたで!」

 

それでも、家じゅうに水が回っていた。

 

しかし、まだ余震が怖い。

シングルの私は、仕事に行かなければならない日が来る。

そのために、どうしても自分の着るものだけは確保しなければならなかった。

ゴミ袋に無事な服を詰めて車に積んでいった。

必要と思われるものも車に積んだ。

時間が経つにつれ、水に濡れる物が増えていく。

 

(つづく)