経験というもの
私は元公務員だ。
だから、公務員には若干甘いところがある。どんなに世間で糾弾されていようが「どうしようもないことだってあるんだけどな」と思って見ている。
やってみなきゃわからないことだってあるからだ。
しかし、しかしである。
最近、同年代の公務員(もう管理職クラス)と知り合う機会が増えて、「ちょっと待て」と思うことが増えた。
専業主婦からの出発。時給800円台から出発した私と、「時給千円の仕事なんていくらでもあるでしょ、安いでしょ」の公務員は全然話がかみ合わないのである。
時給1000円もらうために、どれだけ働かなければならないか。そういう職場がたくさんあって、若い人たちがそれでも頑張って笑顔で働いていることを、私は身をもって知った。
公務員の認識の中には、パンがないならお菓子を食べればいいのに、の世界が広がっていた。
そして、公務員や大企業の人というのは、どんなに部下とうまくいかなくても、異動させてもらうだけで済む立場である。部下がとんでもない人物である時にどうしていいのかわからないのである。小手先で何とかすればいい、というのは、それなりの大きな組織の中でならやっていける。しかし、小さな場所で、仕事のしない人を動かすことの難しさがわからない。
今まで、仕事を続けてきた人や、それなりの地位の人は苦労していると思っていたし、手腕もあると信じていた。けれど、この歳になって見渡してみると、恵まれた地位で働き続けてきた人に、そういうものを求めるのは間違いであると気づいた。
視野の狭さというのは、年齢とは関係ないのかもしれない。
まだ、若くて苦労している人と話しているほうが楽しい時もある。
また、女性同士でも似たようなことがある。
女性にとって「結婚しなさい」は抑圧である。しかし、結婚に限らず、誰かと一緒に暮らすことや、幼き人を育てることはひとつの経験である。経験をしていないことを卑下する必要は全くないが、結婚や子育ての苦労を軽く扱う人がいることもまた、事実。
人は、自分の経験を全てだと思うものなんだな。。。
だからこそ、物語が必要なのであり、物語を通して想像する力を身に着けることが、他者への思いやりを持てることにも繋がるのだと思う。
今日、一番大きなものを断捨離することになった。
どういう結果をもたらすかは、神のみぞ知ることになる。
すべてをお任せして生きていく。
どういう経験が私を待っているのか、また私の器が大きくなると思うと、わくわくする(・・・つもりw)なのである。
新しい人生を歩いていく。
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立春 - 青い鳥を探して