感情の向こう側に
コブクロのライブに行ってきた。
目が腫れるほど泣いた。
最後に「焚火のような歌」を歌ってくれた。
311のすぐ後に作られたこの曲を、今回の豪雨による被害があったことで歌うことに決めたという。
わけがわからないまま私は泣いていた。
まさか自分がこの曲で癒される当事者になるとは思ってもいなかった。
多くの人たちが、私を慰めてくれた。
それはとても温かく、私を勇気づけてくれた。
その反面、どうして私だけがという気持ちが抜けないもの事実で、その事実が時折私を叩きのめしにくる。
普段は考えないようにしているけれど、失ったものの大きさを思うと、ふと底なし沼を覗き込んでいるような、落ちてはいけないと踏みとどまっているような気になった。
でもその底なし沼だと思っているものを、コブクロは見せてくれたのだ。
「底なしじゃないよ」と。
まるで鎮魂のような赤い光で覆われた京セラドームの光景は、私の心に残り続ける。
どんな大きな感情も、越えてしまえば、穏やかな光溢れる庭に着地する。
自分だけの静かな場所に行き着くのだから、何も怖がることなどないのだ。
自分に圧力さえかけなければ、自然に落ち着くものであるから、感情は出せる時に出せばいいと思う。
コブクロを聴くと、自分の心の風景や忘れていた過去が目の前に現れる。
そして、涙と共に流れていく。
また明日から頑張ろう、顔を上げて、笑顔で。