その関係だったから
夫婦関係を書かれたものを読むと
夫が悪い~妻が悪い~とどちらかの非が!
どちらかの立場で書かれるから仕方がないのですが。
今、そういうものを読むと「この二人だからこうなったんだろうな」と思うんです。
夫が文句ばっかり言うのも、妻が自分の趣味にのめり込むのも
「この二人だから」なんですよね。
別の人なら、こうはなっていなかった。
それが良く見えるようになりました。
時々「そんな性格だったら誰とでもそうなるわよ」と言い切る人がいますが、私はそうは思わないんです。だって、誰しもその瞬間にその人といるのは、たった一度っきりなんですよ。違う人と同じ時を過ごすことは絶対にありえない。「時をかける少女」ではないのだから。
この時に、この人と一緒にいること・・・は後から「別の人だったら」と言う必要もない必然だったのだと思います。
そして、その二人の歴史が、「不満な関係」を作ってしまう。
ある漫画で、旦那さんが奥さんにケチケチしてとんでもない!という場面が書かれていました。妻から見れば、たしかに、とんでもない夫です。
けれど、私がそのシーンを見ると「夫のほうに、いつも何かしら抑えられてる不満があるのだろう」と思える。妻を見るとイライラしてしまうその気持ちが、私には何となくわかってしまったんですよね。
この妻じゃなければ、この人はこういう部分を出さなかったかも、って。
どうしてそういう相手を選んでしまうのか、それも済んでみないとわからないのかもしれませんね。
私は離婚してみて、私のいい部分を引き出してくれる人と一緒に居たいと思うようになりました。元夫といると、私は常に「嫌な人間」になってしまうのでした。
そういう役回りを押し付けられる・・・気がしていました。
別に夫でなくてもそうなんです。友達であれ、同僚であれ、自分のいい部分を見てくれて、引き出してくれる人と、私の存在を、引き立て役として使う人がいる。
今は、私を貶める人と一緒にいることはないし、そういう人とは関わらないように生きることが可能になりました。
離婚して良かったのは、そこです!
自分が人生の主役になれたことと、私の良い面を見てくれて、引き出してくれる人と知り合えたことです。
誰と関わるかで人生は変わる。
元夫と暮らした年月も、そういう意味では無駄ではなかったのです。
よく、ダメな男性(にさせられている男性)と別れない女性がいるけれど、それって結局、その人と一緒にいる限り、自分は「いい妻でいられる」からなんですよね。
離婚しなければ、私は永遠に「悪妻」の役割をやらされてたと思います。
関係性って固定されてしまうから、だから、どちらかが「ダメ夫」「ダメ妻」になってしまうし、そういう自分のままの評価をされ続けて、自分を傷つけてしまうんです。
「ひどい夫」と言われている人も、離婚して、別の人と出会えば、「最高の男性」という評価を得るかもしれない。でも、その「ひどい夫を私は支えているのよ!」という「妻の評価を高めるため」に、その男性はずっと「ひどい夫」でいてくれるのかもしれない。
「ダメな夫」「ひどい夫」と別れてしまえば、自分自身の存在意義がなくなるんじゃないかな、その妻は。
その男性と結婚している限り、自分に気づかずに済むし、自分はいい人でいられるわけだから。
私の元夫も、今もなお、私を叩き続けていますよ。
「ひどい母親だ」「ひどい妻だ」って心の中で罵倒し続けているのが、時折子どもとのメールのやり取りから見えてきます。
わたしはやっとそこから脱出しました(#^^#)
今は、私のことを褒めてくれる人としか付き合いませんし、私のいいところを見てくれる人と付き合っていると、どんどん私もいい感じに変われる。
ある人に出会って、私は自分の欠点を本気で正そうと思ったんですが、それは、元夫とはできなかったこと。その人は、私のいい部分を評価してくれている人だったから、その人にしてしまった間違いを私は本気で悔やんだんです。
人は、自分を認めてくれる人のためになら変われるけれど、「お前は悪い奴だ」「お前はダメな奴だ」と言ってる人のためには変われないものです。
だから、夫婦が歪んでいくのは、どちらかが「悪いから」ではなくて、お互いにお互いのいい部分を評価できなくなったから、そういう関係しか築けない二人だったということです。
そしてそれは、どちらかの責任ではなくて、「相性」というものではないでしょうか。
だって、私がどんなに変わっても、成長しても、もう一度元夫とやり直すかと聞かれたら、NOですもの( ;∀;)
今、あの時に戻ったら別れなかったかも?なんて絶対に思わないし~(笑)
関係性ってそういうものです。
どうしたって「わたしとあなた」の間で、固定されてしまうもの。
どうせなら、お互いにプラスになる人と会いたいし、ずっと関係を続けたいのも、お互いが気持ちいい人だけでいいと思うんです。
どんなに気を付けていても、嫌う人は嫌ってくるものだから。
嫌われる関係にしがみつかないのが、人生を楽しむコツかもしれません。