月が出ていた
山の上に三日月が出ていた。
YOASOBIの「夜を駆ける」と「ハルジオン」を聴きながら車を走らせている。
家に帰る間に消防車と事故現場を見た。
夜は外に限る。夜景は私を和ませる。なぜだろう。
居場所がなくて彷徨った夜の光景が
いつの間にか、自分を落ち着かせるものになっていた。
何かを失くした時
ぽっかりと心に穴が開いたような日は
ネオンが流れ去るのを楽しむのがいい。
今日は三日月が山の上に見えた。
何かを伝えてきているような気がして
何度も何度も運転の合間に空に目をやった。
私の勘違いかもしれなかった。
それでも月は私を見ていた。