風に吹かれて~誰のためでもない人生の記録~

つまづきながらも、楽しく生きているアラフィフの人生を日々記録したブログです。今、少し悲しいとか、辛いとか、思っている人に、少しでも笑顔になってもらえますように。

焦らない日々

「昔のほうが、心に自由がなくて苦しかったんじゃないでしょうか」

と、ある人に言われて

たしかにそうだと思った。

 

今は、体調は若い頃に比べてイマイチで、集中力もない。

だけど心も魂も自由で楽しいみたいだ。

 

「これからもっと高く飛べますよ」と言ってもらって

わたしはちょっと嬉しくなった。

 

若くして、才能を開花し、人生を謳歌している風な人を見るたびに

羨ましくてじれったくて、たまらなく焦ったものだった。

今じゃないとダメなのに!と何度も自分を叱咤した。

 

だけど、人生は、必要な時期に必要な経験をさせてくれるらしい。

私に必要な過酷な経験をするためには、若くなければいけなかった。

あの体力がなければ、私は持ち堪えられなかったに違いない。

 

私は自分がひどく目立ちたがり屋なのではないかと恐れていた。

ファッションが気になり、誰かに認められたらいいな~と夢見ていたからだ。

でもそれは、昔の自分が置き去りにしたものだった。

あまりにも周囲が、私を大人扱いし、子どもとして注目されることがなかった。

その頃の寂しさをずっと封印していたらしい。

 

注目されたいという願い(願っているくせに、願っちゃだめだと思っていた)は、人前に出ることを恐れるという副作用をもたらした。

何度も何度もあがり症を治そうと試みたが治らなかった。

 

妹的な人たちが、素直に人前で甘えたり、被害者意識でいっぱいなくせに自信たっぷりなのも気に入らなかった。

末っ子や妹気質の人は、間違いなく、生まれた時に注目され、多くの人が愛でたという記憶がその甘えを許しているのだろうと、私は思った。

そしてまた、姉としての立場に酔いしれて、何一つ制限されなかった人は、下の立場の人間に甘えることが当然のように身に着いている。

 

わたしはその、どちらにもなれなかった。

わたしは、ただの影武者だった。

 

私も見て欲しい、という願望はいつしか心の奥底にしまい込まれた。

しまい込まれた欲望は、ふつふつと発酵した。

誰かが私を見つけてくれる、きっと。

という願望に変わって行った。

 

しかし、「見て欲しい」は衰えなかった。

パソコンを持つとすぐにHPを作ったし、親の会を主催してみたり

ボイストレーニングに通って舞台に立ってみたりした。

けれど、何をしても一向に満足できない。

しかも、人前で何かをすることに対して、余計な力が入って仕方がない。

 

少し変化が見られたのは、実家と決別してからだった。

 

親や、私が目立つのを心理的に抑えてくる妹や弟の存在を、目にしない日々を送ることで、やっと少しずつ息ができるようになった。

 

そこから、自分を引き出してくれそうな人たちに会い続けた。

写真を撮ってもらったり、歌の表現を教えてもらったり。

ブログは書いてたけれど、ひっそりとしたものから、見てもらうものにしたり。

服を変え、メイクを変え、髪型を変えた。

 

いつしか、見られることに慣れて、人前で話すことも平気になった。

 

そして、「親に、見てもらいたかったんだな」という小さき自分に気づいた時

「もう、注目されることを目標にしなくてもよさそうだ」と思った。

 

短期間で多くの人に私を見てもらい、評価してもらい、プラスもマイナスもあることを知った。人によって私を観る主観が違うだけで、わたしはわたしだなあということが、本当に肚に落ちた。

 

わたしは、長い間透明人間だったのだ。

透明人間として世界を見てた。

誰からも注目されず、理不尽な目に遭い続け

捨てられ、蹴られ、ないがしろにされた。

けれど、透明人間として世界を眺められる能力を磨いた。

誰でもできることではないと思う。

どんな主観からも自由であり、すべての人を同等に眺める。。

 

神だろうが占いだろうが人間だろうが、私にとっては全部同じ。

 

ということが、まあ、ぼちぼちわかってきたので

焦らなくなったなあというのが、今日現在の私の通過点である。

 

「私を見て」から「私が見る」世界へ。

シフトしたらしい。

 

今日は持ち帰った仕事をしていた。

仕事といっても、絵を描いてるんだけど。

ゆっくりゆっくりマイペースでなんとか仕上げた。

 

世界を創るのは、ひとりひとりなのだ。

目立つ人がやってくれることではない。

見物するより参加したほうが面白い。

これから私は、どんな世界を生み出すのだろうと思うとワクワクする。

料理をするたびに、線を引くたびに、私は世界を創ってる。宇宙を生み出している。

 

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