名もなき者として
ねえ奥さん、貧血に「ミロ」が効くんですってよ!
昔はよく売ってたけどね~今はどうかね~
密林で買うしかない?
と思っていたら、近所のスーパーに、コーヒーの粉の横に
何でもない顔をして「ミロ」が鎮座しておりました。
記憶の底に、昔もチャレンジした気がする・・・んだけど・・・
元気になりたいので!明日の朝から「ミロ」必須です。
なんの取り柄もない女の子→公務員→結婚→出産→育児でひっくり返る→専業主婦→パートタイムで働き始める→嘱託までたどり着くも首切られる→今無職
私はこんな感じです。
どのタイミングでも、結局ぱっとせず、世間に出られず
私なんてとうじうじして生きてきました。
けれど、無職になってから「わたしはめちゃくちゃ価値あるじゃん」に変わりました。
変ですよね。今は主婦という肩書すらありません。
母親でもありません。
ほんとに何もないんです。
だけど、今ほど自分に価値があると思ったことはない。
これまでの人生の地層の厚さを自覚したからかもしれません。
渡り鳥的な自分を辛いと思ったことも何度もあります。
だけど、そのおかげで、「どこにでもいける」ということがわかりました。
日本は階層社会だから、「ここから出て行きたい」と思いながら
自分の階層以外の人に憧れを抱いたはいいけど出られない人もたくさんいて
それが苦しみにつながってる場合もいっぱいある気がします。
誰もが簡単にネットに顔出しできるわけじゃないし。
だからこそ、あらゆるところに顔を出し、話をしてみて、合わなかったり傷ついたりする経験をたくさんしてきた私は、「どこにも属さなくてもいい自分」を確立してきました。
裸の自分で勝負する感覚になってきたっていうか(笑)
その辺の雑草みたいに、誰にも注目されなくても
全然生きていけるじゃん?って。
自分という魂はここにしかないという揺るぎない何か。
誰かが有名になったりするのって、やっぱりタイミングとか色んな条件が左右しているのだと思う。どんなに似たようなことをやっても、世の中に出ない人もいる。
だから、もうそういうことに左右されないほうがいいと思った。
努力でもないんだよ。
努力しないよりするほうがいいけど、努力しないからダメってことではない。
最後まで自分の人生を生き切ったらそれでいいのだ。
名もなき者として。